1. 消化管は利用できるものを選別する

消化管は「体内に取り込んで利用できるもの」「利用できないもの」を選別する能力を持っています。驚くべきことに、サプリメントや機能性成分は、消化管で「利用できないもの」として、はじかれてしまいます。しかし例外的に取り込む成分もあります。ここに私たちが体によい食べ物やサプリメントを、上手に取り込むための、最大のキーポイントが隠されています。

胃と体内吸収を主に担っている小腸は、体内吸収してはいけないものを排除する防御機関でもあります。糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、一部のミネラルなどは、

「生命を維持するためのエネルギー源」
「エネルギー代謝で利用できるもの」

のどちらからとして、消化管が選別して吸収します。これらの栄養素は体内の酵素が認識して、もとの形をとどめないまでに代謝分解(異化)して、化学エネルギーにしたり、代謝酵素の成分として活用します。

機能性食品やサプリメントに含まれる機能性成分の場合も同じです。食べた時の化学形態のまま取り込まれるとは限りません。

ai_bokal_-_manahanたとえば体によいとされるポリフェノール。食べた量に関係なく、体内に取り込まれる濃度はごくごく微量です。ポリフェノールはまず酵素により糖とアグリコンというものに加水分解されます。アグリコンは腸表面細胞で速やかに水に溶けて輸送しやすい化学形態に処理されます。これを「抱合」と呼びます。抱合されると細胞外、つまり腸に放出されて便となって排泄されます。ごく一部が血流側に放出されますが、ごく微量であり、かつ抱合されている状態では生理活性がなく、機能を発揮することはありません。

どうでしょうか?とっても残念な解説ですね。
高いお金を出して、体にいいと思ってせっせと飲んでいるサプリメントがこんな形で無駄になっているとは!!!

でもすべての機能性成分がこのように無駄になってしまうわけではありません。人間の英知はそのためにあるのです。ただしそんなに簡単なことでもありません。

それを次に解説します。

次⇒ 2.成分を体内に取り込む作戦

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