水に溶けて輸送しやすいような化学形態になることが「抱合」でした。抱合の標的となるのは水酸基やアミノ基と呼ばれる化合物の一部分です。これらが別の置換基でマスクされていると、抱合を受けることがありません。たとえば、カフェインは抱合の標的である窒素にメチル基が付いており、そのままの化学形態で体内に取り込まれます。そのため、気分が落ち着く、眠気が覚める、などの機能性を体感する人が多く出てくるわけです。
また、ミカンをたくさん食べると手が黄色くなりますね。これはミカンに含まれるβ-クリプトキチンサンがほとんど抱合されずに、末梢の皮膚に一時的に溜まるからです。昆布やワカメに含まれるフコキチンサンも体毛や臓器に一時的に蓄積し、ガン予防やメタボリックシンドローム改善に効果を示すと報告されています。
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