食品成分を抱合して便に排泄する抱合酵素は、活性部位が親水性アミノ酸で構成されています。抱合されるターゲットの化合物が、疎水性基で覆われていると、抱合酵素は接近することができずに、抱合できません。
カンゾウはローマ帝国や中国でも親しまれ、その有効性が認められている漢方です。カンゾウの成分であるグラブリジンは動物実験でもヒト試験でも摂取した数%が抱合を受けずに体内に取り込まれて、腎炎予防、抗炎症、抗酸化能などの機能性が報告されています。
植物は昆虫や動物に食べられることから身を護るために、有害な物質をつくります。昆虫や動物はその有害物質を腸で抱合して無毒化する機能を進化させました。しかし植物もそれに対抗して、抱合されにくい化合物を作り出したと考えられています。それを応用したのがこの寄せ付けない作戦です。
2-1. 局在化作戦
2-2. マスク作戦
2-3. 寄せ付けない作戦
次へ⇒ 2-4. 問題ない作戦