2-5. 変身作戦

もともとはほとんど機能性がないのに、体内吸収時に腸内の微生物や腸表面細胞の酵素によって、その化学構造が少しアレンジされることで、機能性が現れる食品成分があります。代表的なものはウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンです。クルクミンは腸細胞の酵素によってテトラヒドロクルクミンに代謝されます。クルクミンはそれほど生理活性が高くないのですが、テトラヒドロクルクミンは極めて顕著な機能性を示します。テトラヒドロクルクミンになると、ケトンの酸素が突き出した形に変身し、その酸素が生体の解毒活性を担っている受容体のNrf2-Keap1に作用しやすくなるからだと言われています。ウコンのサプリメントが肝機能を改善すると言われているのはこういう理由です。

ウコンまた、セサモリンやセサミノールはゴマ焙煎してゴマ油を製造するときに生じる物質ですが、いずれも生理活性がほとんどありません。しかし体内に取り込まれると、体内の酵素によってカテコール構造に変身します。それによって抗酸化能を発揮します。

2-1. 局在化作戦
2-2. マスク作戦
2-3. 寄せ付けない作戦
2-4. 問題ない作戦
2-5. 変身作戦

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2-7. 組み合わせ作戦
2-8. 吸収されない作戦

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